この日程表はあくまで、推定です。作者が日付を明記しているのは寛仁4年(ユリウス暦1020年)旧暦で9月3日から9月17日、宮路山を通過した10月30日、京都に帰着した12月2日だけです。残りの空白部分は想像で埋めてゆくほかありません。道路事情、天候、物資や人足の調達事情など、諸条件が関係するので、これを正確に推定することは困難ですが、逆に、この見積り過程で当時の交通の問題点が浮かび上がることになります。この日程表には取りあえず、宿泊地を記入していますが、新しい事実や知見が得られたら直ちに修正します。道のりの起点は市原市八幡の飯香岡八幡宮を起点としました。道のりの測定はプロアトラスW首都圏版(アルプス社)電子地図の測定機能により測定。平安時代の道は現代の道路より曲がりくねっていただろうから、実際の道のりは多少長くなる筈です。

歴史年代を表記する各種暦の関係

ユリウス通日とはBC4713年1月1日を起点として、日にちに振られた日付の通し番号で、これを利用すると大の月、小の月に関係なく日数を計算するのに便利です。

 現在の西暦であるグレゴリオ暦は日本では明治5年に導入されました。ヨーロッパでは古くからユリウス暦という太陽暦が用いられていましたが、誤差が無視できなくなり1582年にグレゴリオ暦に改暦されました。日本史の年代を西暦に換算する際、平安時代にはグレゴリオ暦は施行されていませんでしたので、ユリウス暦で西暦換算していますが、それでは季節感が現代と微妙に異なります。そのため、参考として平安時代までグレゴリオ暦を仮想的に遡らせて併記してみました。これから、現代の暦なら旅の出発は10月10日であり京都帰着は12月24日であることがわかります。ちょうど秋晴れの日が続く頃で旅日和の季節です(実際には出発が季節外れの台風となりました)。帰宅も実質的には12月中旬頃に京都近郊の粟津に到着しましたので、理にかなった無理がない旅のプランでした。