更級日記の東海道の旅をもとに平安時代の古地形や文献で平安時代日本を再現
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更級日記の底本、藤原定家本の依拠本は

よく知られているように、現代に伝わる更級日記の底本は藤原定家自筆のいわゆる御物本である。しかし、藤原定家は一体何を書写したのであろうか。実は更級作者の自筆原稿だという。それは駒澤大学の萩原教授のホームページに書いてあった。現在そのページが消去されていて、見ていただくことが出来ないので、その部分をここに引用する。この出典が何かは記されていない。



『なお、そのような経緯で最初に定家が書写したときは自筆原稿であったが、その後、その写本を人に貸して戻ってこず、已む無く、その写本を写させてやった別の人から写本を借りてそれを再度筆写したという。つまり、その時点で定家本は自筆原稿写本ではなくなり、誤りを含むものとなった。(定家自身が意味不明として朱点を付している箇所がある。) 定家は、この≪更級日記≫作者自筆本という天下の孤本が、菅原家に伝存することを知った。このとき、菅原家の当主は為長(ためなが)〔『字鏡集』の編者、当時の公卿補任によれば、官位は常に定家の部下の位置にあった。〕であり、定家の是非見せてほしいというたび重なる所望に根負けしてか、家伝のこの書を定家に渡す。その後、定家は老眼に鞭打って、この書を一気に筆写したのである。だが、其の筆写後の原本は、かき消されてしまうのである。原本が存在することは、自筆書写本の価値を低めるからにほかなるまい。また原本は百七十年という年月を堪えてこのこの世にあったこともあり、紙の保存状況そのものもはかりしれないものであったかもしれない』

 

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