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伊賀国在庁官人解(東南院文書三ノ五、平安遺文1958号)
伊賀国在庁官人等解、重ねて申文の事進め申す
東大寺の庄黒田・鞆田・玉瀧三箇処住人等出作公田官物の不弁済、並びに先例率法に背き、段別見米三斗の内、一斗を減ずべき由、執論と成る子細の状、言上す。

国内官物率法

  • 別符
    • 米穀3斗/段
  • 公田
    • 米穀3斗/段(1斗を京庫に納む)
    • 准米 1斗7升2合/段
    • 油 1合
    • 稲 1束
    • 穎稲 2束
  • 院 御庄出作公田段別
    • 米穀3斗
    • 准米1斗7升2合
    • 穎稲3束
副進
段別米穀3斗納税済証文   1通   (東大寺庄黒田・鞆田・玉瀧三箇庄例(済例))
未進注文1通

右、謹んで案内を検みするに、件の寺領三箇処の住人等、恣(ほしいまま)に公田三百五十町を出作し、猥に所当官物を弁済せず。よってここに子細を注し、言上せしむるの処、早く弁済せしむべきの由、寺家の下知は数度なり。然れども彼の住人等左右に事寄せ全く以て承引せず。去年収納の期過ぎ畢んぬ。今年三月已に農節に及ぶと雖も、遂に以て済めず。若し是の寺家の下知内外有らんか、然らずは、庄民等済めぬは何の威を募らすや。そもそも、件の出作の官物率法は先例段別見米三斗なり。然れども済例に背くと雖も、段別見米二斗之を済むべきの由、強ち執論を成すにより奏聞の処を終わらしめ、公田率法に任せ弁済せしむの由宣旨くださる旨、已に畢んぬ。之に加うるに彼の庄人僧慶暹、前々任名張郡納所書生、兼国朝臣後見なり。其の時段別見米三斗検納せしめ已に畢んぬ。何ぞ其の例を忘れ、今執論を成すべき乎。何ぞいわんや院の御庄五箇処は当国第一の権勢也。件の出作公田官物は見米段別三斗敢えて異論無し。何を以て勝劣此論を成すべきや。之を以て之を謂ふ。彼の寺領住人等の所行了らず。責むるに余り有り。早く、件の非論を停止し且つうは宣旨に任せ、且つうは院の御庄例段別見米三斗済めしむ之由、裁下されんがため、子細を注し言上を重ぬる事、件の如し。謹んで解す。
保安三年二月〇日散位源朝臣為宗ほか九名署名


出典:平安遺文1958号、平安遺文古文書編(三)、p.1711、東京堂出版

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