更級日記の東海道の旅をもとに平安時代の古地形や文献で平安時代日本を再現
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定義(さだのり)は作者の兄か弟か?

定義(さだのり)は作者の兄か弟か?
記事コード: fam013
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せおとなる人、定義(さだのり)の年齢推定


 定義は有能な人物で菅原一族の氏の長者となった人です。経歴も大内記、大学頭、文章博士、和泉守を歴任し従4位上まで上りました。多くの注釈書では兄としており、松太夫もそれに同意します。ところが、どうした根拠か定義を弟と考える書もあります(根拠は『尊卑文脈』の注記らしい)。しかし、それはどう考えても無理ではないでしょうか。『小右記』長元2年正月6日に大内記であった定義が父孝標の爵位を進める申請書を書いたが裁許されなかったことが見えます。作者はその時20歳(数え)だから弟だとしたら満18歳以下ということです。そんな歳の人物が詔勅、宣命などの重要文書を作成する中務省の大内記(書記官長)であるわけがありません。では作者より何歳上だったかと言うと、4~5歳上であるという説があります。松太夫としてはもう少し年上(6~7歳)である気がします。大内記は、二十代前半では若過ぎて格好がつかないように思うのです。

 ちなみに作者は定義とは終生、仲が良かったと思います。幼年~少女時代を共に過ごした最後の家族である定義を見送ったときの作者の寂しさは思うに余りあります。

 ※この問題に関して池田利夫氏は詳細な論考をされ、文献的証拠から6歳年上の兄であると結論されています。これまで諸説、紆余曲折が生じた原因についても述べられていて、これを読めば、異論を挟む余地がないことは明らかです(これで決まり)。(更級日記浜松中納言物語コウp3、武蔵野書院)

 

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