平安時代以前、皇女が平民と結婚することは出来たか?
平安時代以前の皇族の結婚制度
内親王(皇女)が平民と婚姻するなど、もちろん出来なかった。更級日記の竹芝伝説にも宮様と、竹芝の男が結婚したとは書いていない。皇女の結婚相手は『継嗣令(けいしりょう)』という法律で定められ、臣下に下った皇族つまり王(それも四世王まで)以上でなくてはならなかった。平安中期に、この法律は藤原師輔により事実上反古にされるが、それは藤原氏が政治の実権を完全に掌握してからのことである。それにしても皇女が降嫁されるのは摂関家など極めて限られた階層であったから、姫宮様の中には独身で終わった方も少なくなかったのではないだろうか。
(角田文衛「平安の春」講談社学術文庫p.45)
