更級日記の東海道の旅をもとに平安時代の古地形や文献で平安時代日本を再現
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まつさとでの宿泊は一日だけか?

まつさとでの宿泊は一日だけか?



 更級作者はまつさとでの乳母との涙の別れのことを印象深く記述している。このことから、まつさとには2泊以上したのではないかと考える研究者もいる。しかし多分それはない、というのが松太夫の考えである。なぜなら、松里は下総であり、上総と産物はほとんど同じで交易の必要はなく、荷物を江戸川の対岸に渡す作業も、前泊地が船橋なら午後から少し夜に入るまでかかってやれば完了するからである。もう一日泊まるのなら、電気照明もない時代に無理して、夜間の危険な渡河搬送作業をするわけはない。当時でも日数が増えれば費用は半端でないから、天候が悪いなどの理由がなければ無用な逗留はしないはずである。

 

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