更級日記の東海道の旅をもとに平安時代の古地形や文献で平安時代日本を再現
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平安時代の馬はどんな馬?

平安時代の日本にいた馬の種類



 機械力のない時代では馬、牛などの牽引家畜はとても重要な社会的役割を担っていた。これなくしては 人力で出来ることは、たかが知れていて大規模な輸送や工事に欠かすことが出来なかった。そこで、当時の馬はどんなものであったかと言うと、現代の競馬に出てくるサラブレッドを想像してはいけない。当時の馬は現在も木曽馬、御崎馬などとして生存する日本在来種である。この大きさは馬高120cm以下のポニーに近いものであったという(サラブレッドは160~165cm)。平安末期の源平合戦に登場する軍馬はさすがにこれより大きくて平均130cm位あったというが、それは軍馬として選抜されたものであり、運搬に使う馬は大半が馬高120cm以下の可愛い馬であったと想像される。一頭当たり運搬力も現代馬よりもかなり下回ったであろう。(川合康『源平合戦の虚像を剥ぐ』講談社選書メチエp.43).NHKの大河ドラマなどの合戦シーンに出てくる馬は引退した競争馬か乗馬クラブの馬だろうが、あれは誤ったイメージを与えるので好ましくないと思う。在来馬がいないのではロケのしようがなく、やむを得ないのかも知れない。

 平安時代の馬の旅は『信貴山縁起絵巻』の尼君の旅の場面が参考になる。可愛い馬の背に尼様がしがみついて、山道を行く姿がほほえましい。

 

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