美作国前雑掌解解、出典:平安遺文661号、平安遺文・古文書編(3)p.785、東京堂出版
美作国前雑掌解解の本文に戻る美作国前雑掌秦西安解・書き下し
早く道理と使者請文のままに御封勘出状を裁許されんことを請う。
右成安謹んで案内を検するに、件の御封始めより、副(そ)ふ色々の雑事等の進済まづ了るとふ寺家の勘文並びに牒状に随い初めに任(まか)す。而して今、国の勘文を進むるの日、勘下さるの処、多く車力勘出有り、そもそも使者正物請取の間、車力を以て先と為す。何ぞ今件の車力勘出されるや。早く道理のままに勘合さるれば、まさに勤節の失わざる由を知らん。就中(なかんづく)、文書を調度し、文等を合わすごとくすれば、過済廿余石也。未済においては何ぞ、その済有らんや。よって、事状を注し、以て解す。
永承三年(1048年)六月二日 雑掌秦成安
